「あーそっか、うん。わかった」
「ちょっと、1人で納得しないでください!」
うんうん、と1人頷く浩人さんに抗議してみる。
少し考える素振りをしてみせて、浩人さんは私をじっと見る。
「本当に覚えてない?」
「なんのことですか…」
口元を隠して、目線だけをあげて浩人さんが見つめてくる。
私は不安からか、浩人さんの服をぎゅっと握っていた。
「うん、まぁ俺だけが知ってればいいよ」
「よくないです!教えてください!」
「…すごくかわいい」
「なんですかそれ!もっと分かりやすくお願いします!」
「大丈夫、かわいいから」
「全然大丈夫じゃないです!」
食い下がってみるけど、浩人さんは笑うだけ。
あぁ、これは多分、教えてくれない。
何をしたんだろう。気になる。
とりあえず嫌われるようなことはしてないっぽいけど…。
もう、お酒なんて絶対に飲まない。
大人になっても飲むものか。
自分の記憶の空白の時間がおそろしくて、なんだか恥ずかしくて、そう心に決めた。
浩人さんの前では、絶対に飲まない。
少なくとも、自分がどうなってるのか分かるまでは。
⚠︎お酒は20歳になってから

