***ー真琴sideー
ぼんやりとした視界と頭で、状況を理解するのが追いつかない。
合わせられた唇は、ギリギリ想定内。
入れられた舌は予想の範疇を超えていた。
身をひねってみても、逃げるのを許さないというように添えられた手が力強くて。
なだめるように背中を撫でられて、止める気がないんだ、と悟った。
薄く開いた目から入ってきたのは、細めた目に熱を込めている浩人さん。
ゆらゆらと揺れる視界で、浩人さんの瞳だけがはっきりと私を射抜く。
ようやく離れて、息が乱れた。
声を殺して、息を吸う方法が分からない。
支えを失って、浩人さんの胸に寄りかかった。
息苦しいし、顔が熱い。
「ワインか…」
そんな呟きが聞こえて、頭を撫でられる。
なんなの、突然…。
お酒を確かめるため?
あぁ、でも、嫌じゃなかった。
恥ずかしくて仕方ないけど、私だって浩人さんに触れたい願望はあるし。
「真琴?大丈夫?」
やわらかい声が、すぐ近くで鼓膜を揺さぶる。
それが心地よくて、目を閉じて体の力を抜く。
「真琴?」
「もっと…」
もっとこうしてたい…。
「ん?」
寄りかかって浩人さんの体温に包まれているのが、心地いい。

