「同じことで悩むなんてバカみたいなのに…」
また小さくなる声に、その頭に口付けをする。
何度、同じことで悩んだって差が埋まらないというのは事実。
でもそれは社会に出れば、すぐに変わる。
実際に社会に出てみないと分からないだろうけれど、その時は必ず来る。
彼女の悩みも今だけのもので、確かに子供かもしれないけれど。
でも、その未熟さが愛しい。
なんて言ったら、怒られるかな。
抱き寄せた温もりを確かめて、その顔を覗き込む。
「俺の隣にいてくれたら、それでいいんだよ」
「…それはダメ」
「どうして?」
「なんとなく」
酔っていても、そこは揺るがないか。
ちょっと残念。でもさすがだ。
たぶん、真琴は自分の中で解決したいんだろう。
酔っていなかったら、口に出しこともしなかったかもしれない。
『早く大人に…』の思考に陥った原因は分からないけれど、今回は深く聞かないほうがよさそうだ。
きっと、彼女は話したがらない。
自分で片付けたいのだろう。
さっきの発言からも、そう推測できた。

