ふと私はスカートを手にとった。
私の好きな膝上フレアースカート。
心菜が産まれる前はよく履いていたけれど、最近は全然履かなくなってしまった。
そもそも心菜と一緒にいるときは動きやすさを重視しなければならないし、公園で一緒に走り回ったり滑り台に上ったりすることを考えると、パンツスタイルじゃなければ勝手が悪い。
諦めてスカートを棚に返すと、恭弥がぼそりと呟いた。
「そういうの、好きなんじゃねぇの?」
自ら口を出してきた彼に驚いて、私は目をぱちくりさせる。
「どうして知ってるの?」
「昔よく履いてなかったか?」
確かにその通りだ。よく覚えてたなぁと正直関心しながら、私は頷いた。
「でも、今は心菜がいるからね。たくさん動き回っても平気な服選ばないと」
私が回れ右をして、実用的なパンツの棚に視線を滑らせていると
突然、視界を恭弥の手が遮った。
その手に握られていたのは、私が諦めたはずのスカート。
「そういうのは、俺が引き受けるから」
恭弥は私の胸元にスカートを押し付けて言った。
「俺が代わりに心菜と一緒に動き回っててやるから。
俺の隣にいるときくらい、好きな服着てろよ」
恭弥は私の手をとると、強引に試着室へ押し込んだ。
私の反論を遮って、乱暴に試着室のカーテンを閉める。
個室で一人にされて、手にはスカートが握られていて、一瞬の出来事にポカンとしてしまった。
なんだか、遠まわしにそばにいてやるって言われたみたいで。
少なくとも、しばらくは隣にいてくれるつもりらしい。
安心してもいいのかな、なんて、そう考えたら胸につかえていたものがスッと楽になった気がした。
私の好きな膝上フレアースカート。
心菜が産まれる前はよく履いていたけれど、最近は全然履かなくなってしまった。
そもそも心菜と一緒にいるときは動きやすさを重視しなければならないし、公園で一緒に走り回ったり滑り台に上ったりすることを考えると、パンツスタイルじゃなければ勝手が悪い。
諦めてスカートを棚に返すと、恭弥がぼそりと呟いた。
「そういうの、好きなんじゃねぇの?」
自ら口を出してきた彼に驚いて、私は目をぱちくりさせる。
「どうして知ってるの?」
「昔よく履いてなかったか?」
確かにその通りだ。よく覚えてたなぁと正直関心しながら、私は頷いた。
「でも、今は心菜がいるからね。たくさん動き回っても平気な服選ばないと」
私が回れ右をして、実用的なパンツの棚に視線を滑らせていると
突然、視界を恭弥の手が遮った。
その手に握られていたのは、私が諦めたはずのスカート。
「そういうのは、俺が引き受けるから」
恭弥は私の胸元にスカートを押し付けて言った。
「俺が代わりに心菜と一緒に動き回っててやるから。
俺の隣にいるときくらい、好きな服着てろよ」
恭弥は私の手をとると、強引に試着室へ押し込んだ。
私の反論を遮って、乱暴に試着室のカーテンを閉める。
個室で一人にされて、手にはスカートが握られていて、一瞬の出来事にポカンとしてしまった。
なんだか、遠まわしにそばにいてやるって言われたみたいで。
少なくとも、しばらくは隣にいてくれるつもりらしい。
安心してもいいのかな、なんて、そう考えたら胸につかえていたものがスッと楽になった気がした。


