家に帰ってきたときにはすでに日が暮れていて、今日も心菜は車のチャイルドシートですやすやと寝息を立てていた。
心菜をそおっとシートから外し、家の中へ運び、寝室の布団の上へと寝かせる。
よっぽど疲れたのだろう、移動中、身体が揺らされても全く目を覚ます様子がなく、随分と深い眠りに落ちてしまっている。
一方の私たちも疲労困憊で、二人してソファに崩れ落ちる。
「子どもの体力ってすげえよな。どうして大人の俺たちがついていけねぇんだろ」
ソファの背もたれにふんぞり返りながら、恭弥が生気のない声を上げる。
「でも、ひさしぶりに気持ちよく疲れたよ」
同じくぐったりとソファに身体を預けながらも、私は満足な笑顔で答えた。
寝室の扉の隙間から寝返りすら打たず熟睡している心菜の姿が見える。
「心菜もよく寝てるね」私が呟くと
「あれは当分起きないぞ」恭弥もははっと笑い声を溢した。
心菜が眠りについた今、この先は私と恭弥、ふたりきりの時間。
静寂がリビングを支配しているけれど、これは今までのような気まずい沈黙じゃない。心地の良い静穏な時間だ。
「沙菜」
ふと、静けさの中、恭弥が私の名前を呼んだ。
彼に視線をやると、人の名前を呼んだくせに何故かそっぽを向いたまま、相変わらずぐったりとソファに身体を沈ませている。
私の顔を見ないまま、ぶっきらぼうな声で呟いた。
「俺はこんな性格だから、こういうこと言うの好きじゃないけど……愛してるから」
心菜をそおっとシートから外し、家の中へ運び、寝室の布団の上へと寝かせる。
よっぽど疲れたのだろう、移動中、身体が揺らされても全く目を覚ます様子がなく、随分と深い眠りに落ちてしまっている。
一方の私たちも疲労困憊で、二人してソファに崩れ落ちる。
「子どもの体力ってすげえよな。どうして大人の俺たちがついていけねぇんだろ」
ソファの背もたれにふんぞり返りながら、恭弥が生気のない声を上げる。
「でも、ひさしぶりに気持ちよく疲れたよ」
同じくぐったりとソファに身体を預けながらも、私は満足な笑顔で答えた。
寝室の扉の隙間から寝返りすら打たず熟睡している心菜の姿が見える。
「心菜もよく寝てるね」私が呟くと
「あれは当分起きないぞ」恭弥もははっと笑い声を溢した。
心菜が眠りについた今、この先は私と恭弥、ふたりきりの時間。
静寂がリビングを支配しているけれど、これは今までのような気まずい沈黙じゃない。心地の良い静穏な時間だ。
「沙菜」
ふと、静けさの中、恭弥が私の名前を呼んだ。
彼に視線をやると、人の名前を呼んだくせに何故かそっぽを向いたまま、相変わらずぐったりとソファに身体を沈ませている。
私の顔を見ないまま、ぶっきらぼうな声で呟いた。
「俺はこんな性格だから、こういうこと言うの好きじゃないけど……愛してるから」


