「もう、頼りないなんて言えねぇな」
ちょっとだけ寂しそうに彼が言う。
「恭弥が、一緒にいてくれたからだよ」
そうだ。恭弥が隣にいてくれたから、目を逸らさずに立ち向かえたんだ。
繋がれた右手に、左手を添えた。
もっとずっと近くに行きたい。けれどなんだか恥ずかしい。
そんな私の躊躇に気づいたのか、彼が短いため息をつく。
やれやれ、世話が焼ける、そんな彼の心の声が聞こえてきた気がした。
恭弥はそっと私を抱き寄せて、二人の身体の間に空いていた微妙な隙間を埋めてくれた。
「約束、しただろ。ずっとそばにいるって」
彼らしいぶっきらぼうな口ぶりで、でも私を抱きしめる腕は優しかった。
「……うん」
私はそっと目をつむる。
もう私たちの間を阻むものは何もない。
彼のぬくもりを、思う存分感じることができる。
寄り添う私たちを見て、心菜が足元に飛んできた。
私も入れてと訴えるように膝に抱きついてくる。
「分かってるって。心菜も一緒だ」
恭弥が心菜を抱き上げて、私も心菜も丸ごと抱き寄せる。
三人の身体が合わさって、それはとても優しく温かく
今この瞬間、世界で一番幸せな家族になれた気がした。
ちょっとだけ寂しそうに彼が言う。
「恭弥が、一緒にいてくれたからだよ」
そうだ。恭弥が隣にいてくれたから、目を逸らさずに立ち向かえたんだ。
繋がれた右手に、左手を添えた。
もっとずっと近くに行きたい。けれどなんだか恥ずかしい。
そんな私の躊躇に気づいたのか、彼が短いため息をつく。
やれやれ、世話が焼ける、そんな彼の心の声が聞こえてきた気がした。
恭弥はそっと私を抱き寄せて、二人の身体の間に空いていた微妙な隙間を埋めてくれた。
「約束、しただろ。ずっとそばにいるって」
彼らしいぶっきらぼうな口ぶりで、でも私を抱きしめる腕は優しかった。
「……うん」
私はそっと目をつむる。
もう私たちの間を阻むものは何もない。
彼のぬくもりを、思う存分感じることができる。
寄り添う私たちを見て、心菜が足元に飛んできた。
私も入れてと訴えるように膝に抱きついてくる。
「分かってるって。心菜も一緒だ」
恭弥が心菜を抱き上げて、私も心菜も丸ごと抱き寄せる。
三人の身体が合わさって、それはとても優しく温かく
今この瞬間、世界で一番幸せな家族になれた気がした。


