「……い、瑠威ってば!」

「え……?」

「どうしたんだよ、ぼーっとして。
まさか、もう酔ったのか?」

気が付けば、オルガが呆れたような顔で笑ってた。



「まさか……ちょっと考え事してたんだ。」

「考え事って…またかお姉のこと考えてたのか?」

「違うって…新曲のことだよ…」

ケインの冷やかしに適当なことを言って返した。



「瑠威…何か食べる?」

「うん、今は良い。」

そう言って、俺は、かおりの肩を抱いた。



「おいおい、いちゃつくなよ。」

「良いじゃないか。
こういう時じゃないとなかなかいちゃつけないんだから。」

「よく言うよ。家じゃ、しょっちゅうべたべたしてるんだろ?」

「当たり前だ。
なぁ、かおり~…」

俺は力を込めて、かおりの身体を引き寄せた。
メンバーの冷やかしの口笛が心地良い。



幸せだ…
愛するかおりと気の合うメンバーに囲まれて…



俺はこの幸せが、この先もずっと続くものだと信じて疑わなかった。