秘密のカレはV(ヴィジュアル)系





「キラさん、おいくつなんですか?」

「私は22。
ハルは21だよ。」

「そうなんですか、じゃあ、私達とあんまり変わらないですね!
もっと年上なのかと思ってました。」

「何?それって、私達がフケてるってこと?」

「そ、そうじゃないですよ!
大人っぽいっていうことです!」

ホールが開場するまでの間、私達は、前にいたキラさんとハルさんといろいろ話してた。
見た目とは違って、けっこう気さくな人達だ。



「ねぇ、璃愛やエミリーは誰のファンなの?」

「私は瑠威です!」

「じゃあ、ライバルだね。
私達も瑠威が好きなんだ。」

「璃愛は?」

「わ、私は……」

「この子、実は私の付き添いなんです。
一人でライブに行き辛いから着いてきてもらってるんです。」

なんて答えようかと焦っていたら、さゆみが代わりに話してくれた。



「そうなんだぁ…まぁ、確かに一人じゃ来にくいよね。
……でも、璃愛もヴィジュアルの格好してるじゃない。」

「は、はい、私もなんとなくファンになりつつあるっていうか…」

私はそう言って愛想笑いを浮かべた。