「望結、これも可愛いと思わないか?」

また瑠威が別のドレスの画像を差し出す。



「そうだね、可愛いと思うよ。」

「だよなぁ…かおりはセンス良いからきっとどんなのでも似合うだろうけど…結局はかおりの好みだよな。」

「そうだね。」

瑠威は心配事なんて何もないみたいに浮かれてる。
でも、本当に大丈夫なんだろうか?
瑠威のご両親は、ママとのこと、本当に許してくれるんだろうか?



「ねぇ、瑠威…」

「ん~?」

「瑠威のご両親は、その…ママとの結婚の事、許してくれてるの?」

「……え?」

顔を上げた瑠威の表情は険しかった。



「……俺はもう子供じゃない。
だから、結婚に親の許しなんかいらない。」

「そういうもんじゃないでしょうよ。
結婚したら、瑠威のご両親とママは一応親子ってことにもなるわけだし。」

「……俺……バンドのこと反対されて、19の時から家出てるから。
勘当されたも同然なんだよ。
だから、関係ない。」



なんか、子供染みたこと言ってるなと思った。
瑠威は結婚のこと、ご両親には言わないつもりなんだ。
でも、そんなことしたら、ますます瑠威とご両親の仲はこじれるだろうし、ママへの心象も悪くなるだろうな。
子持ちの年増の女が瑠威をたぶらかした…みたいに思われるんじゃないかなぁ…
そんなのママが可哀想…