「(校門をぬけてっと…)」
ーそれは、校門からちょうど一歩を
踏み出した時だった。
『「美鈴。」』
『「は?」』
聞き慣れた声と
聞き覚えのある声が
視線と一緒に私の方に向けられる。
圭太には、学校近くの公園で待っててってメールしたはずなのに…なぜ。
『お前…、居酒屋の金髪か?』
「金髪やなくて、“中津”ですけど?」
『中津さんは、何しにこちらへ?』
こわいよ、丁寧な言葉づかいと
爽やかな笑顔が逆に怖いよ圭太っ。
「美鈴ちゃんと
話したかっただけやけど?」
中津さんも、そんな挑発するような
口調を……。

