『“せんせい”のくせに。』



「圭太、」


心配になった私は、ソファーから起き上がって圭太の顔を覗き込んだ…って


「寝てるじゃんっ、」


そりゃ返事がないはずだわ。
今思えば、疲れたって仕事で疲れてるから寝かしてほしいってことだったのかも。

ああ、もう
自分の短絡的な思考に腹がたつ。


「ネクタイもちゃんと外れてないし、」


せめてゆっくり眠ってくれるようにと
ネクタイに手をかけて、
圭太の首元から抜き取った。