『“せんせい”のくせに。』



「…怒ったの?」

『怒ったていうか、疲れた』


私の上をどいた圭太は、ソファーの端に座ってネクタイを緩めている。

嫌われた、絶対、嫌われちゃった。
なんで私ってこんなに子供な態度しか
とれないんだろう。


「ごめんなさい、私が子供だから」

『……』

「ほ、本当はしてほしかったけど
言えなくて…」

『……』


返事ないし。
とうとう呆れられちゃったのかな、
暗がりの中、表情は見えないけれど
きっと怒った顔をしてるに違いない。