純情初恋

それから、私と華夢は2人で歩きながら話をした。
「ねえ華夢ちゃん、な、何で…私なんかと、その…親友に、なりたいって、言ってくれたの……?」
「私の事は華夢でいいよ!もう親友なんだから、ちゃん付けしなくていいよ!」
「う、うん…華夢…」
「ふふっ、そうだなぁ、簡単に言えば、凜音が素直だからだよ!さっきみたいに、嬉しい時は泣いて喜んだり出来るんだから」
「で、でも…皆、私の事…こ、怖がって、る、から…だから……」
「凜音の悪い所はそういう消極的なところだよ!教室で海李と話してる時も思ったけど、そんなんじゃ彼氏できないよ!」
私は、急に海李という名前が出てきて朝の事を思い出し、顔が熱くなるのを感じた。
「え…?か、彼氏…って、何?」
「え!?凜音知らないの!?それは、男の人と女の人が付き合いだした時に呼ぶ…名前みたいなものだよ!」
「そ、そうなんだ…で、でも、私には、ま、まだそういう、のは、早いかなぁ…なんて」
「何言ってるの!もう高校生なんだから、逆にいないとおかしいよ!」
「で、でも…私、好きな人とか…いない、し…っていうか、ど、どうして華夢は海李君の事知ってるの?」
「だって私、海李の幼馴染だもん。当然だよ!」
「そ、そうなんだ…」
私は自分の心臓がズキズキするのを感じ、気持ちが悪くなっていくのを我慢した。
「………」
華夢は何か言いたそうだったが、すぐにニヤッと笑い、そのまま私に手を振って帰ってしまった。私は訳が分からず、とりあえず1人で家に帰る事にした。