高校生になったばかりの春、私は恋をした。それは、絶対にかなわない恋だと思っていた。だけど、まさかあんな事になるなんて…

「おは、よ、う…」
高校の入学式、私は静かに教室の扉を開けた。知らない人ばかりで中学の友達は一人もいなかった。小さい頃から何故か顔が怖いと言われ、誰も私に近づこうとはしなかったからだ。だから友達なんて1人もいない。出来たことも無い。
「はぁ…どうせまた皆私の事を避けるだろうし、目立たない席がいいなぁ…」
溜息をつきながら自分の席を探していると、自分の手首を誰かの手が掴んだ感触があった。まさかとは思ったが振り向いてみると、そこには1人の男子生徒がこちらを見上げて座っていた。