むー、わからん。 まぁ、いっかな。 「そー、そー、わからないでいいのよー。どうせ、わかっても混乱するだけだから」 「ひどっ、ばかにしてー」 「実際、そうでしょ」 まゆはきっぱりと言い切って冷めた目でこちらを見てくる。 「ふーんだ」 いじけて、ふいっとそっぽを向くと綺麗な茜色の夕焼けが見えた。 「............あ、」 気がつくと、もう部活生の掛け声もまばらになってきている。 そろそろ、帰らなきゃ。