「ん、ならよし」
俺は、満足そうな顔をして頷く。
けど、心の中はヒヤヒヤしていた。
あぶねぇ。
うまくごまかせた。
ホッとしていると、張り切った声が聞こえる。
「じゃあ、これからしばらくは敬語なし作戦でいこう!」
「そうだな」
「はい..........じゃなくてうん!私、頑張る!」
「俺も、お前が克服できるように頑張るから」
「よーし、頑張るぞー!えいえい、おー!!」
こうして、
「あのさ何回も言うけど、目立ってるから」
「ああっ、ごめんなさいっ」
長谷川ゆうりの男性恐怖症への克服作戦はスタートした。

