多分、真っ赤になっている顔を見られたくなくてふんっと前を向いた。
「だって、からかうと面白いんだもん」
聞こえないことにしておこう。私、大人だから。
つぎ、目が合ったらなにを言われるのかわからないから、もう望月くんの事なんて見ないもんっ。
固く誓って、私は前を向き続けた。
「ほぉー、ゆうり、男子と連絡先交換できたのー。すごいじゃん、今まで絶対に交換しなかったのに」
「そうだよねー。進歩だよね!克服への!」
「うんうん。進歩だね〜。じゃ、来週も頑張れっ!」
「う、うん。頑張る..............」
「よーし、その意気だぁーー!」

