望月くんは意地悪男子



林田先生は、呆れた顔で私を見ながらこう言った。そして、




「よーし。転校生を紹介するぞー。
入ってきなさーい!!!!」




............は?転校生?

そんなの聞いてないよ?!

男?女?どっち?

いや、絶対に女がいいんだけど!!!!



慌てふためく私をよそに、教室の扉がガラガラっと開いて、背の高い人が入ってきた。



「望月郁です。よろしくお願いします」



サラサラな髪。ちっちゃい顔。スッと通った鼻。低く、綺麗な声。


───男だった。



がっくりする私とは裏腹に、周りの女子たちはひそひそと頰を赤くそめながら、はなす。



まぁ、カッコイイもんね。
わかるよ。わかるんだけどね。だけど。


───最っ悪だ。