「ぁ、や、そっそれはっ............」
ばか〜!なにやってんのよーっ!これじゃ、しっかり覚えてまーすって言ってるようなもんじゃんか。
「そーれーはー??なーに長谷川ちゃん?」
「そ、それは........覚えてないって言ったら覚えてないんですぅっ!」
「えー、なんて言ったのーー?あ、でも俺さっき恐怖症治すの決定なっていっただけで今度危ない目に遭ったら..........なんてことは言ってないけど?」
「............おっ、」
「お?」
「うー、おっ覚えてましたっ」
「あー、泣くなよ。悪かったって、意地悪しすぎた。...........でもさ、あの時怖かったろ??怖すぎて、抵抗もできなかったんじゃないの??」
「そ、それは.............」
「抵抗すらできないのに、あの後俺が助けなかったらどーするつもりだった?
そのまま、抵抗もできずにされるがままだったんじゃねーの?」
言い逃れはできないとわかってじわりと涙があふれでた。
望月くんは、優しくそれをぬぐいながらまるで小さい子をなだめるように話す。
「だから、せめて恐怖症は治しとかないと、抵抗もできないよ。それでもいいの?」
「..............」
確かにあの時、抵抗も、逃げることもできなかった。そんなの、嫌だ。
「イヤだ、いやです。でもっ、怖くて...........どうしようもなく怖くてっ」
私はぎゅっと目を瞑ってイヤイヤと首を振る。
「じゃあさ、俺と、その恐怖症治そ??まずは、そういう気持ちを持たないと、始まらないよ。..........な?」

