ふっ、と包み込まれて目を開ける。
私を支えながらニヤリと笑ってこちらを見る望月くん。
あぁ。望月くんだ、本当に助けてくれた。
「ねぇ、なにしてんの?この子、嫌がってたよね??」
望月くんの冷たく、感情のない声が聞こえてくる。
「..........そういう奴、最低だと思うよ。────2度、この子に近づかないで」
「ちっ、」
盛大に舌打ちして男の子は、その場から去っていく。
あれ、なんで私、望月くんだと安心するんだろう。望月くんは、男の子、なのに。
その去っていく足音が聞こえたのと、望月くんの温もりに安心して私は暗闇の中へと滑り落ちた。

