「え、そうかなー。私は、地獄の提案にしか思えないんだけど」
まゆを寄せて、反論する。
本当の男性恐怖症にとっては、悲劇だよ。
そんな提案。ホント、鳥肌がたっちゃうって!
そういえば、あの提案断り切れなかったんだっけ。
なんか、また危ない目に遭ったら拒否権なしって、言ってたよね?
「ねーねー、望月くんね、『また、危ない目に遭ったら拒否権なし』って言ってたんだけどさ〜、また、なんてあるわけないよね〜??てか、遭ったら困るんだけどさ」
「でたよ。無自覚。はぁーもう、ホント困っちゃうわ〜この子は」
同意を求めて、問いかけたのもむなしく、まゆは呆れたようにため息をつく。
そして、
「いい?!隣の隣のクラスの木村くん、気をつけてねっ?どうせ、理由言ったってわかんないんだろうから言わないけど..............。わかった?」
と、ガシッと肩を掴んで念をおした。
「う、うん。わかった、気をつける」
有無を言わせない口調に、たじろぎながら了承する。
..............木村くんが、誰かわからないということは黙っておこう。

