なにか、できることがあったのだろうか。
私があの日、なにか違う行動をしていたら、なにか違っていたのかな。
どうしていたらよかったんだろう。
「はぁ、────そんなの、わかんないよ」
グルグルと考えていると頭が痛くなってきた。
体が、考えるな、思い出すな、忘れてしまえ、と危険信号を発しているかのように。
考えるのをやめてふっと息を吐く。
ふと、時計を見ると授業の終わりを告げるチャイムが鳴る数秒前だった。
あー、疲れた。
望月くん、起きないなー。
いまだ爆睡中の望月くんを気にしながら教科書やらをしまう。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
教科書をしまい終わると同時にチャイムが鳴った。
カタッと席を立ってまゆの席に向かう。

