望月くんは意地悪男子




なんだか、様子が可笑しくてひょいっと長谷川の顔を覗き込んだ。



「────っ!」




びっくりしたのか、はずかしかったのか、..............たぶん両方だな。



長谷川は、元々大きい瞳を目一杯開いた後、うつむき加減で顔を手で覆ってしまった。




あーーー、なにコイツ。自分がやってること、わかってんのかな?




ニヤけそうになる口元を隠して、フリーズしてしまった長谷川に声をかける。




「長谷川っ‼︎なんだよ」


急に長谷川はパッとこちらを向いたかと思うと、



「お、お礼、ですっ!」


真っ赤な顔をして、何かを突き出してくる。




────キレイにラッピングされた、クッキーだった。