「おい。大丈夫か?」
手を離された、瞬間座り込んでしまった長谷川に目線が合うようにしゃがんで声を掛けると、ビクッとして顔を上げる長谷川。
大きな瞳の淵に涙がたまってうるんでる。
な、何こいつ。可愛い。
可愛いすぎる泣き顔に戸惑いながら俺は、さっきからずっと気になっているコトを聞いてみる。
「お前、長谷川って男苦手なの?」
すると、長谷川はハッとこちらをみて、
「そ、そそそそそんなコトっ!な、ないですっ!」
ちょー噛みながら否定してきた。
なに、こいつ。面白すぎ。
「さっきすっげぇ泣きそうな顔してたじゃん」
「そ、それは……夕陽があたってて、」
「ここ、すごい暗いけど」
「……ぁ、うぅっ……」
墓穴を掘ったらしく、真っ赤になった顔を見られまいと、両手で覆う長谷川。

