「ん?あれー?こんなヤツうちの学校にいたっけ?」
余裕そうに、笑顔で話をそらしながらさらにぐっと掴んでいる力を強める男。
「────っ、くっ、」
恐怖に顔を歪め、今にも倒れそうになっている長谷川。
「ちっ」
それを見た瞬間、心の底に冷たいものが流れていくのがわかった。
怒ってるんだか、むかついてんだか、よくわからない、冷え冷えとした感情。
「あー。もしかして日本語わかんないのかな」
感情を抑えた声で、にっこりしながら余裕そうな男に向かって話しかける。
一瞬、瞳が揺らいだのを見逃さずに、
「はやくはなせっていってるんだけど。あーーーーーー。まだ掴んでいるってコトは、────殺されたいの????」
すると、男は悔しそうな顔をして、
「ちっ」
と、俺を睨みつけてきた。
「さっさと行けよ、変態さん。
────2度とこいつに近づくな」
ギンッと睨みながら言うと、男はものすんごく悔しそうな顔をしながら、走って逃げていった。

