トットットットッ。
ざっざっざっざっざっざっ。
付いてきてるよね............。
大通りにいても、気配が消えなくて早歩きしながらどこか巻けるところがないかなぁとキョロキョロと、探す。
あ、あった!
ちょうどコンビニを見つけて、走り出そうとすると─────
「ねぇ。なんで逃げるの???」
「ひっ!」
低い声が、耳元で囁かれるとともに、腕をガシッと掴まれた。
「─────っ、は、はなしてくださ、」
さあぁぁあぁぁあぁああ
と、一気に私の体から、血の気が引くのがわかる。
「えー、どうしようかなぁ。ある事が分かったら、ね!」
ぐいっ、と掴んでいた腕を引っ張って細い路地を連れ込み、男はじっ、と顔を近づけてきた。
「─────っ」
足が震える。
立っているのがやっとになる。
近づけてくる顔を見れずに、顔をそらしてしまった。
「やっぱ、きみ、男が怖いんだ。あー、どうしよっかなー。俺、こういう子いじめんの大好きなんだけどさ」
怖い、怖い、怖い。どうしようもなく───怖い。
きゅっと、目を摘むって、唇をかみしめた、その時。
声が───聞こえた。
その声は───

