だけどどうして、男と話さないんだろう。
なぜか、俺はあの長谷川ゆうりというヤツが気になって仕方なかった。
───次の授業の時間。
俺は、長谷川に話しかけてみた。
「おい」
「....................................」
無視かよ。
少し、イラッとしたが気を取り直してもう一度声を掛けた。
「おい。無視すんなよ。聞いてんのか?」
「わ、私ですか?」
分かってなかったのかよ。
呆れ返る俺をよそに、長谷川は冷たい声で、
「何かようですか」
と顔すら向けずにきいてきた。
さすがにムッとしたので、
「あー。そんなに、話しかけられたのが、嬉しくて俺のコト見られないのかー。残念だなぁ」
なーんて、言うと
「なっなわけないじゃないですか。な、何言ってるんですか」
ちょっと早口で、そう言いながら長谷川はこちらを向いた。

