「しかも、あの子はあまり男子と口聞かないんだよ!」
「一言もか?」
さすがに一言はあるだろうと思って聞いてみると小池は、がっくりした顔で、
「そう。一言も。なんだろう。男が嫌いなのかな?」
と言ったが、周りにいた男子が、
「それはないだろ。滅多にいないよ。そんなヤツ」
と反論してきた。
それってお前らが認めたくないだけだろ?
苦笑いをして、そのゆうりちゃんとやらを見てみる。
───確かに可愛い。
それに..........。
俺が母親のことを考えているときに、心配そうに声を掛けてくるヤツなんていなかった。
だから、きっと男と話さないのは何か事情があって、本当はとても優しいのかもしれない。

