「こっちにおいで」


男二人を手招き、家へ

「なんの用だ?」

「この時間、奉行所の見回りがあるんどす」


すると、ダダダダダッと辺りが騒がしくなった


「そないに、血を付けて歩いてはったら
捕まえられますよって」


男二人は、顔を見合わせ納得した


「壬生浪士組 副長 土方歳三だ」

「同じく 組長 沖田総司です」



女は、顔色ひとつ変えず


「そない簡単に名乗ってええの?
うちが、敵やもしれへんのに」

「敵なら、助けねぇだろ?」


女が、スタスタと部屋からでた

すぐに戻り


「これに着替えたらよろしいわ
あんさんに、丁度ええ寸法や思う
ほな、着替えたら
勝手にでてっとくれやす
その着物は、返さんでええから…ほな」


「待て!
お前も名乗れよ!」


「近いうちに、また会えますよってに
今日は、堪忍え」



薄らと口角を上げ、女が家を出た

返り血のついた沖田総司は、女に手渡された着物を着た


「ピッタリなんですけど」

「よかったじゃねぇか」

「なんだか……僕の為に用意されたみたいですね?」

「んなわけねぇだろ!?」

「ですよね」