あたしの正義




「アリスさん〜〜ちょっと来てください。」

「………はーい。」

「………。」

「…………あとでゆっくりはなそ。」

「アリちゃんッ、」




タイミングよくスタッフに呼ばれたアリスさん。
そのおかげで険悪な雰囲気は立つことができた。

でも、御門くんのテンションがガタ落ち。




「御門くん大丈夫?」

「……だ、大丈夫っす。お騒がせしました!続きやりますね!!」

「手震えてるけど?」

「武者震いっす!」

「……分かりやすいね。」

「雛さん静かに!!」



シーッ、とジェスチャーで伝えてくる。
どうやらこれ以上触れて欲しくないみたい。


軽く深呼吸をした御門くんはファンデーションを手に取るとあたしの肌に塗布していく。




「これかなりお勧めなんでよかったら!雛さんはモデルさんだから肌に優しいミネラル配合のこのファンデーションがいいですよ!」

「ありがとう。」




すぐに切り替えた御門くん。
もうさっきのことは無かったみたいに振る舞う。


仕事とプライベートはしっかり別ける。
その辺はしっかりしてるんだね。