望雪音side


「…なんだよこれ。」


何でこんなことになってんだよ。
意味わからない。

投げつけられたお金をそっと机に置くと俺はそばにあるカメラに触れた。
電源を入れて、フォルダを確認する。

そこに映っているアリスの寝顔にちょっと笑ってしまう。


「昨日あんな目にあったのにアリスの寝顔は綺麗だったんだよね。」


一人で独り言を言ってる自分が気持ち悪くなったけど、本当にアリスの寝顔は綺麗だったんだ。
隠し撮りなんて最低だけど、どうしても納めたかったんだ。



そんな時、携帯が鳴った。
この着信音は電話だ。


「もしもし。」

「雪音今何時だと思ってんの?」

「え?」


時計を見ると10時を過ぎていた。


「今日仕事10時30分からですよね?」

「メール見てないの?」

「め、メール……?」

「その反応は見てないのね。……ふざけんじゃないわよ!?あたしは常にメールはっ確認しなさいって言ってるわよね??」

「ごめんなさい…。」

「早くきなさい!!!」



乱暴に切られた、電話。
しばらくぼーっとしてしまう。