「雪音っちもどう?」

「え?」

「これからご飯行こうと思うんだけど…行かない?」



真顔でしばらく黙り込み、そして腕を組んで考え出す。
これは雪音っちの考えるスタイル。
いつもこうやって考えて考えて、しっかりと決めてから答えだす。

あたしと雪音っちは高校の時からの知り合い。
だからきっと誰よりも雪音っちの癖を把握してる。




そして顔を上げた雪音っちは「いいよ。」と淡々と答えた。




「げ、」

「げ、ってなんだよ。」

「雪音も来るの?」

「アリスさん嫌?」

「嫌だけど雛さんが誘ったわけだし……受け入れます。」

「ありがとう。」




凄く嫌な顔をしてるけど仕方なく了承してくれた。
アリスさんもなかなか表情に出やすい。
だからわかりやすくて助かる。



待ち合わせ場所を雪音っちに伝える。
そしてあたしたちはスタジオを後にした。