あたしもしっかりしないとな。
だってこれからみんなの憧れの雛にならないといけないから。
メイクを仕上げる御門くんを見てそう思う。
ここはある意味戦争。
こんな風にピリピリとした空気を作ってしまったのはあたしのせいかもしれない。
だから…トップにいなくちゃ。
だってあたしが作り出したんだから。
「はい出来ました!」
「ありがとう。」
「はい!」
ニコッと笑った御門くん。
その笑顔がいまは辛い。
あたしもいつか裏のない笑顔を作れたらいいのに。
「暗い顔しないで雛さんらしくですよ!」
「え?」
「大丈夫ですよ。雛さんならなんとかなります。」
「……なに言ってんの。」
「あはははは。」
あたしなんでこんな知り合って間もない御門くんに励まされてるんだろう。
顔に出ていたのかもしれない。
なら……もっと徹底してトップに立つ女にならないと。
じゃないとすぐに追いつかれてしまうから。

