彼の情事私の事情



「あいつには近づくな、菫ちゃん」


いや、それ無理でしょう?
同じ社内だよ
どこの部署か知らないだよ
お願いです
情報願うっても
苦笑いしてる


朝も朝で誰が会社まで送って行くかで揉めているし

「バスで行く」ても

「「「危ないでしょう、菫ちゃん」」」仲良くハモるし・・・


で3人の兄ちゃんが一番デカイ車に乗り込んで「菫ちゃんはここ」って
サンドイッチに挟むし・・・

朝から疲れちゃった。


なのに


なのに、先輩にまで見つかった


「おはよう、すみれちん、このイケメンだ~れ、塔ノ沢よりいいじゃん」

「やぁ、あいつよりいいとは、光栄です、俺たち菫の兄です、左から、長男の圭、次男の咲哉、三男の幹太です」


「すみれちん、いいな・・・」
うっとりと見とれていた


「私 上林 奈穂美です」


「「「菫ちゃんをよろしくね」」」