「ねぇ有翔、今何時ぐらい?」

「あ?そろそろ10時になるけど」

10時か..
そろそろおっさん達引っ掛けて来ようかな。

「何?どっか行くわけ?」

「..関係ないでしょ」

「関係あっから。どーせおっさん達引っ掛けて来ようとしてんだろ?」

「..そうだけど?何か悪い?」

「悪いってこたねーけどさ
..行くなよ。」

「は?」

「行くなっつってんの。
.....俺と一緒に居ろよ」

は?何言ってんの有翔。
あたしがどこ行こうが勝手じゃん。

「お前と一緒に居たいんだよ..」

有翔..何でそんなに悲しそうな顔してんの?

「ふふっ笑 何それ。ホストの口説き文句ってやつ?」

「俺は!
....俺は、ホストだから言ってるとかじゃなくて真剣に言ってんだよ。」


ギュッ....

「ちょっ、なにしてんの..」

「お前さ..もっと自分大事にしろよ。
自分で自分を傷つけんな..。
言ったろ?ひとりで抱え込むなって..」

「ちょっと有翔..」

「お前見てっとさ..守りたくてしょうがねぇんだよ..。
本当は弱いくせに意地張ってつよがって..
何でもひとりで抱え込んで..
馬鹿じゃねぇの?」

「ねぇ、何が言いたいのかさっぱりわかんないんだけど..」

「守りたいんだよ..お前を。
...好きなんだよ....お前のことが..。
だからさ、俺の傍に居ろよ..。
おっさんだろうがなんだろうが他の男ん所なんか行ってんじゃねーよ。」