「風邪をこじらせただけですね」 先生はそう言った。 「よかった……」 「薬出しておきますから、毎日飲ませてくださいね」 「はい」 ゆっくりと呼吸をしながら眠る夢羽を、抱きしめた。 「夜分にありがとうございました」 夢羽、よかったね。 「親父、ありがとな」 この人、橘日向の父親みたい。 よく見たら、似てるな。