平成15(2006)年5月、僕は生まれて初めて転校生となった。僕の家族は、父を僕が3歳で亡くして以来、母子家庭で生活してきた。母の月々の収入は僅かで、当時暮らしていたアパートの家賃も、電気・ガス・水道の光熱費も常に滞納してきた。そのツケがまわってきたのだ。しかし、これこそが僕の今後しばらくの運命を変える出来事だった。