「……ん…?」
目が覚めると、見覚えのある白い天井が目に入る。
「病院……?」
私…
「しの…は…ら…?」
聞き覚えのある声に、私はバッと体を起こそうとする。
「いっ…」
だけど鋭い痛みが全身を襲い、またベットへと引き戻される。
「篠原。」
「村瀬…。」
私の顔を覗き込んだのは鋭い目つきの村瀬。
心なしかその瞳が赤くなっているような気がした。
「てめぇ…よくも死のうとしたな…。」
「え…?」
その瞬間彼の優しいぬくもりに包まれる。
「……良かっ…た……。」
震える声に、私の胸がズキンと痛んだ。
「むら…せ…。」
泣いて……る…?
「じゃあ、俺帰るわ。」
え……?
バッと体を離され、顔も見ぬうちに後ろを向くと、早足で病室を出て行こうとする村瀬。
「…村瀬…。」
こちらに背を向けた村瀬にそう呼びかけるが、こちらを振り向くことなく彼はスタスタと行ってしまう。
行っちゃう……
やだよ…!
待って!
「私村瀬が好き!」