文化祭は無事うまくいき、文化祭3日目、終了間近の後夜祭。
皆は外に出てキャンプファイヤー的な事をやっている中。
なぜだろうか?
私は村瀬と校舎内にいた。
「……ねぇ…。」
「あ?」
「後夜祭…出ないの…?」
「お前が出ないから。」
その言葉に、嬉しいと思う反面、とても胸が痛むのを感じた。
「死なないわよ…。」
「……。」
「もう本当に大丈夫だから。」
「は…?」
「あんたが私に付きまとうのは責任を感じてるからでしょ?」
「……。」
「悪かったわね。あんたの時間を今まで奪ってて。」
言いながら、私は教室のドアの方まで近づいていく。
「もういいから。私、こう見えても強くなったのよ?全部あんたのおかげ。ありがとね。」
「おい。」
村瀬の引き止めも無視して私は教室を出る。
遠くの方で村瀬の叫びが聞こえたが、私はそのまま女子トイレに逃げ込んだ。
個室に入ったのと同時に、溢れてきたのは何を意味する涙なのか…。
訳も分からず声を押し殺して私は泣いていた。
ただ苦しかったから。
ただ辛かったから。
私を思っている村瀬はきっと、
優しさと罪悪感だけの感情しかないのだから。
気付いた気持ちは行き場を無くし、ただ心の中でずっと渦巻いているだけだった。

