文化祭当日。
私たちは朝早くから準備をしていた。
「あー…。もうこのくらい作ればいいでしょ…。」
うなだれる千恵美を横目で見て、私は作業する手を止める。
「そろそろ始まるわねー。3日間。頑張りますか!」
「……。」
「ちょっと!1人でしゃべってるみたいじゃない!」
「へいへい。」
「もう!要のばーか!」
「ふっ…。」
「あはは。2人のやりとりっていつ見ても面白い。」
急に笑い出すクラスメートに私たちは顔を見合わす。
「篠原さんの毒舌って言うか…適当なところが私好きだな。」
「っ……。あ、あ、あ、ありがと…。」
「あ。要のツンデレ出た!照れてんじゃないわよ。」
バシンッと思い切り背中を叩かれ、私はすぐに千恵美を睨む。
「あー怖い怖い。あんたをそんな子に育てた覚えはない。」
「あんたに育てられた覚えもないわ。」
「あはは。ほらケンカしないのー。」
そんなクラスメートの言葉に、私たちも笑みがこぼれる。
なんかとても…
あたたかいよ…。
そんな幸せを噛みしめ、私はそっと空を見上げた。

