無言で買い物する事10分。
お会計をしている私は、隣にいた村瀬がいないことに気がつく。
たく…。
どこほっつき歩いてんのよ…。
お会計を済ませ、レジ袋に買ったものを入れ私は外に出る。
さむっ…
おもっ…
もう…どこに行ったの
「っ?!」
急に手からレジ袋が無くなり、私は辺りを見渡そうとする。
が、
「っ?!!」
急に頬にあたたかいものが当たる。
な…に…?
それに触れてみれば、それはとてもあたたかく、思わず笑みがこぼれる。
「ココアだ…!」
「…ふっ…。ガキかよ。」
ハッとして後ろを振り返ろうとするが、それよりも先にレジ袋を持った村瀬が前に出てくる。
「ちょ!どこに行ってたのよ!」
「さぁ…?」
もう…。
でも…
少し小走りで村瀬に近づき隣を歩く。
「ありがと…。」
ココアを握り締めそうつぶやけば、隣から優しい声で
「どういたしまして…。」
そんな声に、
私の胸はトクンと高鳴っていた。

