ゆっくりとまぶたを開けると、目の前に村瀬がいた。
どうやら眠っているようで、瞳を閉じて静かに寝息をたてている。
彼は片膝を立てて眠っており、もう一方の足に私の頭を乗せていた。
重く…ないのかな…。
そんな事を思いながら体を起こすと、オレンジ色が教室内を包んでいた。
もう…夕方か…。
村瀬の方を見れば、まだ眠っているようで、そんな彼の寝顔に少しの笑みがこぼれる。
そして彼に近づき、ブレザーを脱ぎそっと彼の方にかける。
「ありがとう。村瀬。」
ただそれだけつぶやいて、私は空き教室を後にした。
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