「あんたもう来てたの?早いわね。」
出た。
「ちょっと睨まないでよ?あー怖い、怖い。」
「朝からうるさい。」
そう。朝からうるさいこの女、林田千恵美。
高校で知り合った私の唯一言い合える友達ではないけど………
友達にしておこう。
「あーあ。ちょっと聞いてよ…。あいつ浮気してさ!」
始まった。
女子特有のガールズトークと言うやつ。
正直めんどい。
すごくめんどい。
特にこの女めんどい。
そしてこのめんどい女は私の前の席だ。
毎日毎日うるさく、そしてめんどい。
まぁとにかく、めんどいんです。
「だから別れるって言ったの!そしたらさ!」
「へぇ。すごーい。」
「まだ何も言ってないんだけど?」
キレ気味に言われた言葉が右から左に流れていく。
「一時間目なんだっけ?」
「おい。人の話聞け。」
「なら早く言え。」
そう冷たく言い放てば、彼女は急にデレだす。
いやいやキモイからやめて。
「もう!サプライズされちゃってね!びっくりー。浮気してなかったの!」
「はいはい。」
良かった、良かった。
「でね…」
それから15分間。
担任が来るまで、私はこいつののろけ話を聞かされたのである。
もちろん。右から左に流しましたけど。

