『南くん。』



案の定彼は携帯をいじりながら待っていてくれた。



『篠原さん。用事はもう大丈夫?』



『うん。なんか村瀬くんに変なこと言われてさ。』



『変なこと?』



『うん。南はやめとけって。よく分からないね。』



『ふふ。そうだね。あ、ねぇ。ちょっと場所変えようか?』



『あ、うん。そうしよう。』




ついてきて。と言われ、私は黙って南くんの後に続いた。




この時の私は気がつかなかったのだ。




村瀬が言った“危険”の意味も…。


この時、南くんがうっすらと笑っていたことも…。