それを聞いた南は,腕を握る力を弱めた。 その隙に如月のところへ走った。 「………し…らい…し…」 如月の細い声が聞こえると, 「白石!里村!」 という先生の声が聞こえた。 あたしはしゃがみこんで,如月が運ばれて行くのを見届けると,南に抱き抱えられて,先生のところへ行った。