「春波?」



「あ、すみません!」



先輩は春波って呼んでくれるようになった。


「じゃあ、10時に時計台のとこな」



「はい!」



チャイムが鳴って、またな、と私の頭に手を置くと先輩は教室へ帰って行った。

もう一度、長浜先輩の方を見たけど、誰もいなかった。