冷たくて優しい先輩






そして、とうとう22時になってしまい
帰ることになった。



断ったが、どうしても送るというので
最寄りの駅まで送ってもらった。




「今日はすみませんでした。
一緒に待っててもらって、本当にありがとうございました。ほんと言うと先輩がいてくれて心強かったです」



へへっと笑うと、先輩が優しく笑った。

何もかも包み込んでしまいそうな笑顔だった。




「ば、馬鹿ですよね。こんな遅くまで待つなんて」


恥ずかしくなって、先輩から視線を外した。