冷たくて優しい先輩





一瞬にして息が詰まる。

長浜先輩の顔が目と鼻の先にあった。
スッと通った鼻筋に、切れ長の目。
形の良い唇。


「す、すみません!ごめんなさい!」


慌てて顔をそらすと、もっと何か言うかと思ったのに、うん。とだけ返ってきた。



時が止まったかと思った。

心臓がぎゅっと縮んだ気がする。