冷たくて優しい先輩





「春波が好きだ。お前の真っ直ぐなところも声が大きいところも、笑った顔も、全部好きだ」




先輩の腕が優しく私を包み込む。


「俺のこと考えてほしい。すぐじゃなくていいから。ゆっくりでいい」




「でも、私……」



「まだあいつのことを好きなことも分かってる。それでもいい。お前を一番近くで支えたい」




「先輩……」