冷たくて優しい先輩





夜道、暗いので送ると言って、先輩が駅まで送ってくれることになった。



「悪かったな、今日。発表会まで」



「いえ、そんな!大翔くん可愛いですねえ。自分の弟みたいです」



ありがとう、と先輩が笑った。



少し雨が振ったのか、路面が濡れて滑りやすくなっていたので、ヒールだった私は慎重に歩いていた。